物思へどもかからぬ人もあるものを
あはれなりける身の契りかな
- 歌の意味
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物思いをしても、私のようにこれほどつらい思いをしない人もいるのに、なんとあわれな私の宿縁であることよ。
- 鑑賞
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恋歌 671
詞書は前の歌に続き「恋」
恋の物思いをする人は多いが、その中にも自分のようにこれほどまでつらい思いをしない人もいるのに、と他の人と比べ、それほどまでの苦しみを背負うのは、前世からの定めである自分の宿縁がいかにもあわれだからだ、と嘆く歌である。恋の苦しみを、身の宿命として受けとめている。
千載集の恋歌五に収められている。
初句「物思へども」は、物思いをしても、の意で、六音の字余りとなっている。
二句「かからぬ人も」は、このようではない人も、の意で、自分ほどつらい思いをしない人をいう。
三句「あるものを」の「ものを」は逆接の接続助詞で、いるのに、の意である。
四句「あはれなりける」の「あはれ」は、しみじみとかわいそうだ、の意で、「ける」は気づきの詠嘆である。
結句「身の契りかな」の「契り」は、前世からの約束、宿縁のことで、「かな」は詠嘆の終助詞である。
かかる:このような
ちぎり:前世からの約束、宿縁
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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かきくらす涙の雨の脚しげみ 盛りに物の嘆かしきかな
- 次の歌
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なほざりの情けは人のあるものを 絶ゆるは常のならひなれども