憂きふしをまづ思ひ知る涙かな
さのみこそはと慰むれども
- 歌の意味
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つらい折ふしを、まっ先に思い知る涙であることよ。世の中はそういうものだと自分を慰めるけれども。
- 鑑賞
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恋歌 674
詞書は前の歌に続き「恋」
恋のつらい出来事があるたびに、心より先に涙がまっ先にそれを思い知って流れ出てしまう。世の中とはそういうものだと自分に言い聞かせて慰めるけれども、と詠む。理屈で心を慰めようとしても、涙のほうが先に反応してしまう恋の苦しさを表している。
本巻の第六百六十八首の、道理によっても抑えられない涙と通い合う趣向である。
初句「憂きふしを」の「ふし」は、折、事柄のことで、つらい折ふしを、の意である。
二句「まづ思ひ知る」の「まづ」は、まっ先に、の意で、心よりも先に、ということである。
三句「涙かな」の「かな」は詠嘆の終助詞で、ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「さのみこそはと」は、そういうものばかりだと、の意で、世の中や恋はそういうものだと思うことをいう。
結句「慰むれども」は、慰めるけれども、の意で、上の句に返る倒置となっている。
ふし:折、事柄
なぐさむ:心を晴らす、気を紛らす
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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何とこは数まへられぬ身のほどに 人を恨むる心なりけん
- 次の歌
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さまざまに思ひ乱るる心をば 君がもとにぞ束ね集むる