かかる身におほし立てけんたらちねの
親さへつらき恋もするかな
- 歌の意味
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こんな身の上に育て上げたのであろう親までもが恨めしく思われるような、つらい恋をすることだ。
- 鑑賞
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恋歌 677
詞書は前の歌に続き「恋」
こんなにもつらい恋をする身に育て上げたのだろう親までも、恨めしく思われてしまうほどの恋をしている、と詠む。本来感謝すべき親さえ恨みたくなるという言い方で、恋の苦しみの極まりを表している。
初句「かかる身に」は、このような身に、の意で、つらい恋をする身をいう。
二句「おほし立てけん」の「おほし立つ」は、養い育てる、の意で、「けん」は過去推量である。育て上げたのだろう、の意である。
三句「たらちねの」は、「親」を導く枕詞である。
四句「親さへつらき」の「さへ」は添加の副助詞で、親までもが、の意である。「つらし」は恨めしい、の意である。
結句「恋もするかな」の「かな」は詠嘆の終助詞で、そのような恋もすることだ、と嘆いて結ぶ。本巻の第六百五十五首と同じ結句である。
おほしたつ:養い育てる
たらちね:親、「親」にかかる枕詞
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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物思へばちぢに心ぞ砕けぬる 信太の森の千枝ならねども
- 次の歌
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おぼつかな何の報いの帰り来て 心責むるあだとなるらん