人は憂し嘆きは露も慰まず
さはこはいかにすべき心ぞ
- 歌の意味
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あの人はつれなく、私の嘆きは少しも慰められない。それでは、これはいったいどうすればよい心なのか。
- 鑑賞
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恋歌 682
詞書は前の歌に続き「恋」
あの人はつれなく、自分の嘆きはわずかも慰められることがない。それならば、この心はいったいどうしたらよいのか、と途方に暮れる歌である。相手にも自分にも頼るところのない恋の行き詰まりを、畳みかけるような問いによって表している。
初句「人は憂し」の「憂し」は、つらい、恨めしい、の意で、あの人はつれない、ということである。ここで句切れとなる初句切れの歌である。
二句「嘆きは露も」の「露も」は、打消を伴って、少しも、の意である。
三句「慰まず」は、慰められない、の意で、ここでも句切れとなっている。
四句「さはこはいかに」の「さは」は、それでは、「こは」は、これは、の意で、驚きと戸惑いを表す。
結句「すべき心ぞ」は、どうすればよい心なのか、の意で、「ぞ」は強く問いかける気持ちを表して結ぶ。
うし:つらい、恨めしい
つゆ:少しも、わずかも
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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なかなかに馴るるつらさに比ぶれば 疎き恨みはみさをなりけり
- 次の歌
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日に添へてうらみはいとど大海の ゆたかなりける我が思ひかな