さはと言ひて衣返してうち臥せど
目の合はばやは夢も見るべき
- 歌の意味
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それならばと言って、衣を裏返して横になるけれども、目が合わさって眠れるのならばともかく、眠れなければどうして夢も見られようか。
- 鑑賞
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恋歌 701
詞書は前の歌に続き「恋」
それならば夢で逢おうと、恋しい人を夢に見るというまじないの通りに衣を裏返して横になってみる。けれども、恋の物思いで目が合わさらず眠れないのだから、夢を見ることなどできるはずもない、と詠む。夜の衣を裏返して着ると恋しい人を夢に見るという俗信は、古今集の小野小町の歌にも詠まれている。
前歌で夢の逢瀬を頼みにしようと思い定めたのを受け、この歌はその夢さえ眠れないために見られないと嘆いており、二首が続いている。
初句「さはと言ひて」の「さは」は、それならば、の意で、前歌を受けて夢で逢おうと思い立つことをいう。六音の字余りとなっている。
二句「衣返して」は、衣を裏返して、の意で、恋しい人を夢に見るためのまじないである。
三句「うち臥せど」は、横になるけれども、の意で、逆接で下の句へ続く。
四句「目の合はばやは」は、目が合わさるならば、の意で、「やは」は反語を表し、結句の連体形「べき」と係り結びをなしている。
結句「夢も見るべき」は、夢も見られようか、いや見られない、の意で、「やは」を受けて連体形で結ぶ。
ころもかへす:衣を裏返して着る、恋しい人を夢に見るためのまじない
うちふす:横になる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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夢をなど夜ごろ頼まで過ぎ来けん さらで逢ふべき君ならなくに
- 次の歌
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恋ひらるる憂き名を人に立てじとて 忍ぶわりなき我が袂かな