- 歌の意味
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物思いをして流す涙は、やがて三途の川となって、人を沈める淵となるのだろうか。
- 鑑賞
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恋歌 709
詞書は前の歌に続き「恋」
恋の物思いのために流す涙は、やがて三途の川となり、死後に人を沈める深い淵となるのだろうか、と詠む。三瀬川は死者が渡るという三途の川のことで、恋の涙の多さを冥途の川にまで広げ、恋の執着が来世の苦しみにつながるのではないかという不安を表している。
前歌で来世まで続く恨みを詠んだのを受け、この歌も死後の世界に思いを向けており、恋の部の終わりに向けて、恋と来世の苦しみとを結びつける歌が続いている。
初句「物思ふと」は、物思いをするとて、の意で、六音の字余りとなっている。
二句「涙ややがて」の係助詞「や」は疑問を表し、結句の「らん」と係り結びをなしている。「やがて」は、そのまま、まもなく、の意である。
三句「三瀬川」は、死者が冥途へ行く途中で渡るという三途の川のことである。
四句「人を沈むる」は、人を沈める、の意で、罪深い者が川に沈むとされたことを踏まえている。
結句「淵となるらん」の「淵」は川の深くよどんだ所のことで、淵となるのだろうか、と「や」を受けて連体形で結ぶ。
みつせがは:死者が冥途へ行く途中で渡るという三途の川
ふち:川の深くよどんだ所
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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いかにせん来む世の海人となるほども みるめ難くて過ぐるうらみを
- 次の歌
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あはれあはれこの世はよしやさもあらばあれ 来む世もかくや苦しかるべき