- 歌の意味
- 何事も、昔のことを聞くと情趣があって、由緒ありげなさまに自然と偲ばれることだ。
- 鑑賞
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雑歌 715
詞書は前の歌に続き「雑」
何事であっても、昔のことを聞くと情趣が感じられ、由緒ありげなさまで偲ばれる、と詠む。昔のものごとに心ひかれる懐旧の思いを、一般的な感慨として述べている。
初句「何事も」は、どんなことでも、の意である。
二句「昔を聞くは」は、昔のことを聞くのは、の意である。
三句「情けありて」は、情趣があって、の意で、六音の字余りである。第七百十三首の初句「情けありし」と同じく「情け」の語で昔を慕っている。
四句「ゆゑあるさまに」の「ゆゑ」は、由緒、風情の意で、由緒ありげなさまに、の意である。
結句「偲ばるるかな」の「るる」は自発の助動詞「る」の連体形で、自然と偲ばれることだ、と詠嘆して結ぶ。
ゆゑ:由緒、趣、風情
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- 軒近き花橘に袖しめて 昔を偲ぶ涙包まん
- 次の歌
- 我が宿は山のあなたにあるものを 何に憂き世を知らぬ心ぞ