いにしへに変はらぬ君が姿こそ
今日はときはの形見なりけれ
- 歌の意味
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昔に変わらないあなたの姿こそが、今日は常盤の地で、変わらないことの形見であることだ。
- 鑑賞
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雑歌 734
詞書「為業、常盤に堂供養しける、世を遁れて山寺に住み侍りける親しき人々、詣で来たると聞きて、言ひ遣はしける」
藤原為業が常盤の邸で堂の供養を行った際、出家して山寺に住む親しい人々がやって来たと聞いて、為業に贈った歌である。為業の兄弟たちが出家して姿を変えたなかで、俗体のまま昔に変わらない為業の姿こそが、常盤という名のとおり変わらないものの形見である、と詠む。
初句「いにしへに」は、昔に、の意である。
二句「変はらぬ君が」は、昔と変わらないあなたの、の意で、出家せず俗体のままの為業をいう。
三句「姿こそ」の「こそ」は係助詞で、結句の「けれ」と係り結びをなしている。
四句「今日はときはの」の「ときは」は、地名の常盤と、永久に変わらない意の「常磐」とを掛けた掛詞である。
結句「形見なりけれ」は、係助詞「こそ」の結びの已然形で、形見であることよ、と結ぶ。
ときは:地名の常盤と、永久に変わらない意の常磐を掛ける
かたみ:思い出のよすがとなるもの
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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すむと言ひし心の月し現れば この世も闇の晴れざらめやは
- 次の歌
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色変へて独り残れるときは木は いつをまつとか人は見るらん