立ち寄りて柴の煙のあはれさを
いかが思ひし冬の山里
- 歌の意味
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立ち寄ってくださって、柴を焚く煙の哀れさを、どのように思われたでしょうか、この冬の山里で。
- 鑑賞
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雑歌 736
詞書「ある人、様変へて仁和寺の奥なる所に住むと聞きて、まかりて尋ねければ、あからさまに京にと聞きて帰りにけり、その後、人遣はしてかくなん参りたりしと申したりける返事に」
ある人が出家して仁和寺の奥に住んでいると聞いて西行が訪ねたところ、その人はちょっと京に出ていると聞いて帰ってきた。その後、使いをやって、このように訪ねて行ったと伝えたところ、その人から返事として届いた歌である。作者は「ある人」とあるのみで誰かはわからない。せっかく立ち寄ってくれたのに留守にしていた詫びをこめて、冬の山里の柴の煙の哀れさをどう感じたかと問いかけている。
初句「立ち寄りて」は、立ち寄って、の意で、西行が訪ねて来たことをいう。
二句「柴の煙の」は、柴を焚く煙の、の意で、山里の侘び住まいを象徴する。
三句「あはれさを」は、しみじみとした哀れさを、の意である。
四句「いかが思ひし」は、どのように思ったか、の意で、相手の感想を問うている。
結句「冬の山里」は体言止めで、自らの住まいを示して結ぶ。
しば:小さな雑木、薪にした
あからさまに:ほんのしばらく、ちょっと
- 出典
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山家集
- 前の歌
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色変へて独り残れるときは木は いつをまつとか人は見るらん
- 次の歌
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山里に心は深く入りながら 柴の煙のたち帰りにし