世を捨てぬ心のうちに闇こめて
迷はんことは君ひとりかは
- 歌の意味
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世を捨てきれない心のうちに闇を閉じこめて迷うであろうことは、あなたひとりだけであろうか、いや私も同じである。
- 鑑賞
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雑歌 739
詞書「返し」
前歌への西行の返歌である。世を捨てきれない心のうちに闇をこめて迷うのは、あなたひとりだけではない、私も同じだ、と詠む。相手の不安を自らのこととして受けとめ、共に迷う者として寄り添っている。前歌の「闇」「迷ひ」をそのまま受けている。
初句「世を捨てぬ」は、世を捨てきれない、の意で、前歌の「身を捨てやらで」に応じている。
二句「心のうちに」は、心の中に、の意である。
三句「闇こめて」は、闇を閉じこめて、の意で、前歌の「長き闇」を受けている。
四句「迷はんことは」は、迷うであろうことは、の意で、前歌の結句「又迷ひなん」を受けている。
結句「君ひとりかは」の「かは」は反語で、あなたひとりであろうか、いや私も同じだ、と結ぶ。
こむ:閉じこめる、中に満たす
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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惜しからぬ身を捨てやらで経る程に 長き闇にや又迷ひなん
- 次の歌
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なべてみな晴れせぬ闇の悲しさを 君しるべせよ光見ゆやと