世の中に心ありあけの人はみな
かくて闇には迷はぬものを
- 歌の意味
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世の中で、有明の月のように心ある人はみな、こうして闇に迷うことはないものなのに。
- 鑑賞
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雑歌 742
詞書「後の世の事、むげに思はずしもなしと見えける人のもとへ遣はしける」
来世のことをまったく考えていないわけでもないと見えた人のもとへ贈った歌である。世の中で心ある人は、明け方まで残る有明の月のように、闇に迷うことはないものなのに、と詠み、相手の心を仏道へといざなっている。
初句「世の中に」は、この世で、の意である。
二句「心ありあけの」の「ありあけ」は、心ありの「あり」と、明け方まで月が残る「有明」とを掛けた掛詞である。
三句「人はみな」は、そういう人はみな、の意である。
四句「かくて闇には」は、こうして闇には、の意で、二句の「有明」の月と「闇」とが対になっている。
結句「迷はぬものを」の「ものを」は逆接的な詠嘆の終助詞で、迷わないものなのに、と結ぶ。
ありあけ:心ありの意と、明け方まで月が残る有明を掛ける
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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思ふともいかにしてかはしるべせん 教ふる道に入らばこそあらめ
- 次の歌
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世を背く心ばかりはありあけの つきせぬ闇は君に晴るけん