山おろす嵐の音の激しさを
いつ習ひける君が住みかぞ
- 歌の意味
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山から吹きおろす嵐の音のこれほどの激しさに、いつの間に慣れ親しんだあなたの住まいなのか。
- 鑑賞
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雑歌 746
詞書「待賢門院中納言の局、世を背きて小倉山の麓に住まれける頃、まかりたりけるに、事柄まことに優にあはれなりけり、風の気色さへことに悲しかりければ、書きつけける」
待賢門院に仕えた中納言の局が出家して小倉山の麓に住んでいた頃、西行が訪ねると、そのたたずまいはまことに優雅でしみじみとしており、風の様子までが特に悲しく感じられたので、書きつけた歌である。華やかな宮廷にいた人が、山から吹きおろす激しい嵐の音に、いつの間に慣れて住むようになったのか、と相手の境遇の変化を思いやっている。
初句「山おろす」は、山から吹きおろす、の意である。
二句「嵐の音の」は、嵐の音の、の意で、詞書の「風の気色さへことに悲しかりければ」を受けている。
三句「激しさを」は、激しさを、の意である。
四句「いつ習ひける」の「習ふ」は、慣れる、の意で、いつ慣れたのか、と問いかけている。
結句「君が住みかぞ」の「ぞ」は強めの終助詞で、あなたの住まいなのか、と結ぶ。
ならふ:慣れる、慣れ親しむ
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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苫の屋になみたち寄らぬ気色にて あまり住み憂き程は見えにき
- 次の歌
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憂き世をばあらしの風に誘はれて 家を出でにし住みかとぞ見る