この世にて語らひ置かん郭公
死出の山路のしるべともなれ
- 歌の意味
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この世にいるうちに親しく語らっておこう、ほととぎすよ。死出の山路の道案内ともなっておくれ。
- 鑑賞
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雑歌 750
詞書「待賢門院の女房堀川の局のもとより言ひ送られける」
待賢門院に仕えた女房の堀河の局から西行へ言い送ってきた歌である。ほととぎすは死出の山を越えて来る鳥とされ、「死出の田長」とも呼ばれた。西行をそのほととぎすになぞらえ、この世にいるうちに親しくしておきましょう、死出の山路の道案内となってください、と後世の導きを頼んでいる。
初句「この世にて」は、この世にいるうちに、の意である。
二句「語らひ置かん」の「語らふ」は、親しく語り合う、の意で、「ん」は意志の助動詞である。
三句「郭公」は、死出の山から来る鳥とされたほととぎすで、西行をたとえている。呼びかけでここで句切れとなる。
四句「死出の山路の」の「死出の山」は、死者が越えてゆくという冥途の山である。
結句「しるべともなれ」は命令形で、道案内ともなっておくれ、と結ぶ。
かたらふ:親しく語り合う
しでのやま:死者が越えてゆくという冥途の山
しるべ:道案内、導き
- 作者
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待賢門院堀河
- 出典
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山家集
- 前の歌
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苗代に堰き下されし天の川 止むるも神の心なるべし
- 次の歌
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郭公なくなくこそは語らはめ 死出の山路に君しかからば