さらぬだに世のはかなさを思ふ身に
鵺鳴き渡る曙の空
- 歌の意味
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そうでなくてさえ世のはかなさを思っているわが身に、鵺が鳴きながら渡ってゆく、明け方の空であることよ。
- 鑑賞
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雑歌 756
詞書「題しらず」
そうでなくてさえこの世のはかなさを思っている身に、鵺が鳴きながら空を渡ってゆく明け方である、と詠む。鵺はトラツグミのことで、夜に細く寂しい声で鳴き、不吉な鳥とされた。その声が無常の思いをいっそう深めている。
ここから第七百六十八首まで、題しらずの歌が続き、世のはかなさと無常を詠み継いでいる。
初句「さらぬだに」は、そうでなくてさえ、の意である。
二句「世のはかなさを」は、この世のはかなさを、の意で、この一連の主題を示している。
三句「思ふ身に」は、思っているわが身に、の意である。
四句「鵺鳴き渡る」の「鵺」はトラツグミの古名で、夜に寂しげな声で鳴き、不吉な鳥とされた。
結句「曙の空」は体言止めで、明け方の空の情景で結ぶ。
ぬえ:トラツグミの古名、夜に寂しい声で鳴き不吉な鳥とされた
さらぬだに:そうでなくてさえ
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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悔しきはよしなき君に馴れ初めて 厭ふ都の偲ばれぬべき
- 次の歌
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鳥辺野を心のうちに分けゆけば いぶきの露に袖ぞそほつる