- 歌の意味
- 過ぎ去った昔に見た世の中は夢と変わらないので、今のことも現実という気がするだろうか、いや、しはしない。
- 鑑賞
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雑歌 761
詞書は前の歌に続き「題しらず」
過ぎ去った昔に見た世の中は、今思えば夢と変わらない。それならば、今のこともまた現実だという気はしない、と詠む。過去が夢であったように、現在もまた夢にすぎないという無常の思いを述べている。
初句「来し方の」は、過ぎ去った昔の、の意である。
二句「見し世の夢に」は、かつて見た世の中が夢に、の意で、前歌までの「夢」を受けている。
三句「変はらねば」は、変わらないので、の意で、理由を表す。
四句「今もうつつの」の「うつつ」は現実の意で、二句の「夢」と対になっている。
結句「心地やはする」の「やは」は反語で、そういう気がするだろうか、いやしない、と結ぶ。
きしかた:過ぎ去った昔
うつつ:目覚めている状態、現実
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- 亡き人もあるを思ふも世の中は 眠りのうちの夢とこそ見れ
- 次の歌
- こととなく今日暮れぬめり明日もまた 変はらずこそは隙過ぐる影