つき果てしその入相のほどなさを
この暁に思ひ知りぬる
- 歌の意味
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撞き終えた、あの夕暮れの入相の鐘から、命が尽きるまでの時のなさを、この暁になって思い知ったことだ。
- 鑑賞
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雑歌 770
詞書「暁無常を」
題「暁無常」は、暁に無常を思う心を詠む題である。夕暮れに撞き終えた入相の鐘から、命が尽きるまでの時のなんと短いことかを、この暁になって思い知った、と詠む。夕べには生きていた人が暁には亡くなっていたような、命のはかなさを述べている。
初句「つき果てし」の「つき」は、鐘を撞く意と、命が尽きる意とを掛けた掛詞である。
二句「その入相の」の「入相」は、日の暮れる頃、またその時に撞く入相の鐘をいう。
三句「ほどなさを」は、時のないことを、間もないことを、の意である。
四句「この暁に」は、この明け方に、の意で、題の「暁」に当たり、二句の「入相」と対になっている。
結句「思ひ知りぬる」は、思い知ったことだ、の意である。
つく:鐘を撞く意と、命が尽きる意を掛ける
いりあひ:日の暮れる頃、またその時に撞く鐘
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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捨てやらで命を終ふる人はみな 千々の黄金を持て帰るなり
- 次の歌
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亡き人を霞める空にまがふるは 道を隔つる心なるべし