- 歌の意味
- はかなく過ぎ去った昔を思うにつけても、今もまたそのように、朝顔に置く露のようにはかないのだ。
- 鑑賞
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雑歌 777
詞書「諸行無常の心を」
題「諸行無常」は、すべてのものは移り変わり常なるものはないという仏教の教えである。はかなく過ぎ去った昔を思えば、今もまた同じく朝顔に置く露のようにはかない、と詠む。朝顔もその露もたちまち消えるものの代表で、過去と現在を通してすべてが無常であることを述べている。
初句「はかなくて」は、はかなく、の意である。
二句「過ぎにし方を」は、過ぎ去った昔を、の意である。
三句「思ふにも」は、思うにつけても、の意である。
四句「今もさこそは」の「さ」は、そのように、の意で、昔と同じく今もはかない、の意である。
結句「朝顔の露」は体言止めで、すぐにしぼむ朝顔とたちまち消える露とではかなさを重ねて結ぶ。
あさがほ:朝に咲いてすぐにしぼむ花
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- 鳥辺野や鷲の高嶺の末ならん 煙を分けて出づる月影
- 次の歌
- もろともに眺め眺めて秋の月 ひとりにならんことぞ悲しき