もろともに眺め眺めて秋の月
ひとりにならんことぞ悲しき
- 歌の意味
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いっしょに何度も眺めてきた秋の月を、これからはひとりで見ることになるのが悲しいことだ。
- 鑑賞
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雑歌 778
詞書「同行に侍りける上人、例ならぬ事大事に侍りけるに、月の明くてあはれなりければよみける」
修行をともにしてきた上人が重い病にかかった折、月が明るくしみじみと感じられたので詠んだ歌である。この上人は西行と長く行動をともにした西住とされる。いっしょに何度も眺めてきた秋の月を、これからはひとりで見ることになるのが悲しい、と友の死を予感する悲しみを詠んでいる。
この歌は新古今和歌集の哀傷歌に収められている。
初句「もろともに」は、いっしょに、の意で、上人とともに過ごした日々をいう。
二句「眺め眺めて」は、何度も眺めて、の意で、動詞を重ねて繰り返しを表す。
三句「秋の月」は、ともに眺めた月で、詞書の「月の明くて」を受けている。
四句「ひとりにならん」は、ひとりになるであろう、の意で、初句の「もろともに」と対になっている。
結句「ことぞ悲しき」は、係助詞「ぞ」と連体形「悲しき」による係り結びで、そのことが悲しい、と結ぶ。
どうぎやう:ともに仏道を修行する仲間
れいならぬこと:病気
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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はかなくて過ぎにし方を思ふにも 今もさこそは朝顔の露
- 次の歌
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尋ぬとも風の伝にも聞かじかし 花と散りにし君が行方を