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磨かれし玉の住みかを露深き
野辺に移して見るぞ悲しき

歌の意味
磨き立てられた玉のように美しい御殿にお住まいだった方を、露の深い野辺に移してお見申すのが悲しいことだ。
鑑賞
雑歌 781

詞書「近衛院の御墓に人々具して参りたりけるに、露の深かりければ」
 近衛天皇の御陵に人々と連れ立って参ったところ、露が深く置いていたので詠んだ歌である。近衛天皇は十七歳の若さで亡くなった。磨き立てられた玉のような御殿に住んでいた方が、今は露の深い野辺の墓所に移られているのを見るのが悲しい、と詠む。華やかな宮殿と寂しい墓所との対比に、無常の悲しみがこもっている。

 初句「磨かれし」は、磨き立てられた、の意で、宮殿の美しさをいう。
 二句「玉の住みかを」の「玉の住みか」は、玉のように美しい御殿の意で、天皇の御所をいう。
 三句「露深き」は、露が深く置いた、の意で、詞書の「露の深かりければ」を受けている。露は涙も暗示する。
 四句「野辺に移して」は、墓所の野辺に移して、の意で、二句の「玉の住みか」と対になっている。
 結句「見るぞ悲しき」は、係助詞「ぞ」と連体形「悲しき」による係り結びで、見るのが悲しい、と結ぶ。

たまのすみか:玉のように美しい御殿
のべ:野原、ここでは葬送の地
作者
西行
出典
山家集
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吹く風の行方知らするものならば 花と散るにも遅れざらまし
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