君がため秋は世に憂き折なれや
去年も今年も物思ひにて
- 歌の意味
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あなたにとって、秋はこの世でことにつらい時節なのであろうか。去年も今年も、悲しみの物思いに沈んでいて。
- 鑑賞
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雑歌 787
詞書「同じ嘆きし侍りける人のもとへ」
前の贈答と同じように、身内の死を嘆いていた人のもとへ贈った歌である。あなたにとって秋はこの世でことにつらい折なのだろうか、去年も今年も悲しみに沈んでいて、と詠む。二年続けて秋に身内を亡くした相手の悲しみを思いやっている。
初句「君がため」は、あなたにとって、の意である。
二句「秋は世に憂き」の「世に」は、この世で、とりわけ、の意で、秋はことにつらい、の意である。
三句「折なれや」の「や」は疑問で、時節なのであろうか、の意である。ここで句切れとなる。
四句「去年も今年も」は、去年も今年も、の意で、二年続けて悲しみに遭ったことをいう。
結句「物思ひにて」は、物思いに沈んでいて、の意で、倒置によって三句の理由を示して結ぶ。
ものおもひ:思い悩むこと、悲しみに沈むこと
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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藤衣重ぬる色は深けれど 浅き心の染まぬはかなさ
- 次の歌
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晴れやらぬ去年の時雨の上にまた かき暗さるる山めぐりかな