紅葉見て君がためとや時雨るらん
昔の秋の色を慕ひて
- 歌の意味
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紅葉を見て、あなたのためにと時雨が降っているのだろうか。昔の秋の色を慕って。
- 鑑賞
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雑歌 797
詞書「十月中の頃、宝金剛院の紅葉見けるに、上西門院おはしますよし聞きて、待賢門院の御時思ひ出でられて、兵衛殿の局に差し置かせける」
十月中旬頃、法金剛院の紅葉を見に行ったところ、上西門院が来ておられると聞き、その母である待賢門院の御代が思い出されて、上西門院に仕える兵衛の局のもとに差し置かせた歌である。紅葉を見て、あなたのためにと時雨が降るのだろうか、昔の秋の色を慕って、と詠み、時雨に懐旧の涙を重ねている。
初句「紅葉見て」は、紅葉を見て、の意で、法金剛院の紅葉をいう。
二句「君がためとや」の「君」は兵衛の局をさすとも、上西門院をさすともとれる。「や」は疑問の係助詞で、三句の「らん」と係り結びをなしている。
三句「時雨るらん」の「時雨る」は時雨が降る意で、懐旧の涙を暗示している。ここで句切れとなる。
四句「昔の秋の」は、待賢門院の御代の秋をいう。
結句「色を慕ひて」は、紅葉の色を慕って、の意で、倒置によって三句を受けて結ぶ。
しぐる:時雨が降る、また涙を流す
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
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繁き野をいく一むらに分けなして さらに昔を偲び返さん
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色深き梢を見ても時雨れつつ ふりにしことをかけぬ日ぞなき