なべてみな君が嘆きを訪ふ数に
思ひなされぬ言の葉もがな
- 歌の意味
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誰もがみなあなたの嘆きを見舞う、その数のうちの一つとは思われないような言葉があればよいのに。
- 鑑賞
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雑歌 802
詞書「親に後れて嘆きける人を、五十日過ぐるまで訪はざりければ、訪ふべき人の訪はぬ事を怪しみて、人に尋ぬと聞きて、かく思ひて今まで申さざりつるよし申して遣はしける人に代はりて/かく思ひて程経侍りにけりと申して、返事かくなん」
親を亡くして嘆いている人を、ある人が五十日が過ぎるまで見舞わなかったため、見舞うはずの人が見舞わないのを不審に思って、その理由を人に尋ねていると聞いた。そこで、このように思って今まで申し上げなかったのだと伝えるために贈った、その人に代わって西行が詠んだ歌である。誰もがみな見舞う、その数のうちの一つとは思われないような言葉があればよかったのに、と詠み、ありきたりの見舞いでは心を尽くせないと思って遅れたのだ、と弁明している。
初句「なべてみな」は、誰もがみな、の意である。
二句「君が嘆きを」は、あなたの嘆きを、の意である。
三句「訪ふ数に」は、見舞う人々の数のうちに、の意である。
四句「思ひなされぬ」は、そう思われない、の意である。
結句「言の葉もがな」の「もがな」は願望の終助詞で、そういう言葉があればよいのに、と結ぶ。
とふ:訪ねる、見舞う
ことのは:言葉
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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住み捨てしその古里を改めて 昔に帰る心地もやする
- 次の歌
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あはれとも心に思ふほどばかり 言はれぬべくは訪ひこそはせめ