あはれとも心に思ふほどばかり
言はれぬべくは訪ひこそはせめ
- 歌の意味
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お気の毒にと心に思っているほどのことを、そのまま言葉にして言えるものならば、見舞いもいたしましょうが。
- 鑑賞
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雑歌 803
詞書「ゆかりにつけて物思ひける人のもとより、などか訪はざらんと、恨み遣はしたりける返事に」
縁者の不幸で悲しんでいた人から、どうして見舞ってくれないのかと恨み言を言ってきたので、その返事として詠んだ歌である。お気の毒にと心に思うほどのことを、そのまま言葉にできるものならば、見舞いもしよう、と詠み、心の思いが深すぎて言葉にできないために見舞えなかったのだと弁明している。前歌と同じく、遅れた見舞いの事情を述べる歌である。
初句「あはれとも」は、気の毒だとも、の意である。
二句「心に思ふ」は、心のなかで思う、の意である。
三句「ほどばかり」は、それほどのことを、の意である。
四句「言はれぬべくは」の「れ」は可能の助動詞で、言うことができるならば、の意である。
結句「訪ひこそはせめ」は、係助詞「こそ」と已然形「め」による係り結びで、見舞いもしようが、と結ぶ。
とふ:訪ねる、見舞う
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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なべてみな君が嘆きを訪ふ数に 思ひなされぬ言の葉もがな
- 次の歌
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涙をや偲ばん人は流すべき あはれに見ゆる水茎の跡