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いかにとも思ひ分かずぞ過ぎにける
夢に山路を行く心地して

歌の意味
どうであったとも分別できないまま過ぎてしまった。夢の中で山路を行くような心地がして。
鑑賞
雑歌 808

詞書「返し」
 前歌への西行の返歌である。行きも帰りも、どうであったか分別もつかないまま過ぎてしまった、まるで夢のなかで山路を行くような心地がして、と詠む。前歌の「帰る山路」を受け、友を失った悲しみのあまり、すべてが夢のように感じられたことを述べている。

 初句「いかにとも」は、どうであったとも、の意である。
 二句「思ひ分かずぞ」の「思ひ分く」は分別する意で、「ぞ」は係助詞である。
 三句「過ぎにける」は、係助詞「ぞ」の結びの連体形で、過ぎてしまった、の意である。ここで句切れとなる。
 四句「夢に山路を」は、夢の中で山路を、の意で、前歌の四句「帰る山路」を受けている。
 結句「行く心地して」は、行くような心地がして、と倒置によって三句を受けて結ぶ。

おもひわく:分別する、判断する
作者
西行
出典
山家集
前の歌
入るさには拾ふ形見も残りけり 帰る山路の友は涙か
次の歌
行き散らん今日の別れを思ふにも さらに嘆きや添ふ心地する