行き散らん今日の別れを思ふにも
さらに嘆きや添ふ心地する
- 歌の意味
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散り散りに去ってゆく今日の別れを思うにつけても、さらに嘆きが加わるような心地がすることだ。
- 鑑賞
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雑歌 809
詞書「侍従大納言入道はかなくなりて、宵暁に勤めする僧おのおの帰りける日、申し送りける」
侍従大納言入道藤原成通が亡くなり、宵と暁に勤行していた僧たちがそれぞれ帰ってゆく日に、遺族のもとへ申し送った歌である。成通は本巻の第七百三十首で西行と贈答した人である。散り散りに去ってゆく今日の別れを思うにつけても、さらに嘆きが加わる心地がする、と詠み、死別の悲しみに、残された人々の別れの寂しさが重なることを述べている。
初句「行き散らん」は、散り散りに去ってゆくであろう、の意で、僧たちが帰ってゆくことをいう。
二句「今日の別れを」は、今日の別れを、の意である。
三句「思ふにも」は、思うにつけても、の意である。
四句「さらに嘆きや」の「や」は疑問の係助詞で、結句の「する」と係り結びをなしている。
結句「添ふ心地する」は、加わる心地がする、の意である。
そふ:加わる、重なる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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いかにとも思ひ分かずぞ過ぎにける 夢に山路を行く心地して
- 次の歌
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伏し沈む身には心のあらばこそ さらに嘆きも添ふ心地せめ