いかばかり君思はまし道に入らで
頼もしからぬ別れなりせば
- 歌の意味
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どれほどあなたは思い悩んだことだろう。もし妹君が仏道に入らないで、後世の頼みもない別れであったならば。
- 鑑賞
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雑歌 815
詞書「同じさまに世遁れて大原に住み侍りける妹の、はかなくなりにけるあはれ弔ひけるに」
寂然と同じように出家して大原に住んでいた寂然の妹が亡くなったので、その悲しみを弔った歌である。妹が仏道に入らずに、後世の頼みもない別れであったならば、あなたはどれほど嘆いたことだろう、と詠み、仏道に入っていたことを慰めとするよう寂然を励ましている。
初句「いかばかり」は、どれほど、の意である。
二句「君思はまし」の「まし」は反実仮想の助動詞で、あなたは思い悩んだことだろう、の意である。ここで句切れとなる。
三句「道に入らで」の「道」は仏道で、「で」は打消の接続助詞である。六音の字余りである。
四句「頼もしからぬ」は、頼みにならない、後世の望みのない、の意である。
結句「別れなりせば」の「せば」は反実仮想の仮定で、別れであったならば、と倒置によって二句を受けて結ぶ。
たのもし:頼りになる、望みがある
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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思へただ今日の別れの悲しさに 姿を変へて偲ぶ心を
- 次の歌
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頼もしき道には入りて行きしかど 我が身をつめばいかがとぞ思ふ