古典和歌stream

後の世を訪へと契りし言の葉や
忘らるまじき形見なるべき

歌の意味
後世を弔ってくれと約束した言葉こそが、忘れることのできない形見となるのであろう。
鑑賞
雑歌 822

詞書は前の歌に続き「院の二位のつねみまかりける跡に、十首歌人々よみけるに」
 十首の六首目である。後世を弔ってほしいと生前に約束した言葉こそが、忘れることのできない形見となるのだろう、と詠む。故人との約束を形見として、その菩提を弔い続けようとする心を述べている。

 初句「後の世を」は、来世を、の意である。
 二句「訪へと契りし」の「訪ふ」は、弔う、供養する、の意で、弔ってくれと約束した、の意である。
 三句「言の葉や」の「や」は疑問の係助詞で、結句の「べき」と係り結びをなしている。
 四句「忘らるまじき」の「まじ」は打消推量の助動詞で、忘れることができないであろう、の意である。
 結句「形見なるべき」は、形見となるのであろう、の意である。

とふ:弔う、供養する
作者
西行
出典
山家集
前の歌
あらぬ世の別れは今日ぞ憂かりける 浅茅が原を見るにつけても
次の歌
後れゐて涙に沈む古里を 魂の影にもあはれとや見ん