- 歌の意味
- 後に残されて涙に沈んでいる故郷の家を、亡き人の魂も、哀れと見ていることだろうか。
- 鑑賞
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雑歌 823
詞書は前の歌に続き「院の二位のつねみまかりける跡に、十首歌人々よみけるに」
十首の七首目である。後に残されて涙に沈む故郷の家を、亡き人の魂も哀れと見ているだろうか、と詠む。残された遺族の悲しみを、故人の魂の側から見るという視点で詠んでいる。
初句「後れゐて」は、後に残されて、の意である。
二句「涙に沈む」は、涙に沈んでいる、の意である。
三句「古里を」は、故人の住んでいた家を、の意である。
四句「魂の影にも」の「魂の影」は、亡き人の魂の意である。
結句「あはれとや見ん」の「や」は疑問の係助詞で、「ん」と係り結びをなし、哀れと見ているだろうか、と結ぶ。
おくる:後に残る、先立たれる
たまのかげ:亡き人の魂
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- 後の世を訪へと契りし言の葉や 忘らるまじき形見なるべき
- 次の歌
- 跡を訪ふ道にや君は入りぬらん 苦しき死出の山へかからで