- 歌の意味
- 哀れを知る空にも心があったので、人々の涙に、雨を添えて降らせているのであった。
- 鑑賞
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雑歌 829
詞書「同じ日、暮れけるままに、雨のかき暗し降りければ」
人々が散り散りに別れていった同じ日、暮れてゆくにつれて雨があたりを暗くして降ってきたので詠んだ歌である。哀れを知る空にも心があるので、人々の涙に雨を添えて降らせているのだ、と詠み、空までもが別れを悲しんでいるとしている。
初句「あはれ知る」は、もののあわれを解する、の意である。
二句「空も心の」は、空にも心が、の意で、空を人のように見ている。
三句「ありければ」は、あったので、の意で、理由を表す。
四句「涙に雨を」は、人々の涙に雨を、の意で、詞書の「雨のかき暗し降りければ」を受けている。
結句「添ふるなりけり」の「なりけり」は気づきの詠嘆で、添えているのであった、と結ぶ。
かきくらす:空を暗くする
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- 散る花はまた来ん春も咲きぬべし 別れはいつかめぐり逢ふべき
- 次の歌
- あはれ知る空にはあらじわび人の 涙ぞ今日は雨と降るらん