- 歌の意味
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見舞ってほしいものだ。別れの悲しみの涙で袖に露がしげく置き、蓬の生い茂る下に住む、この心細さを。
- 鑑賞
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雑歌 833
詞書「兄の入道想空はかなくなりにけるを、訪はざりければ言ひ遣はしける」
寂然の兄である入道想空が亡くなったのに、西行が弔いに訪れなかったので、寂然が言い送ってきた歌である。ここから第八百三十七首まで寂然の五首が続き、第八百三十八首からの西行の五首がそれぞれに応じている。別れの涙で袖に露がしげく置き、蓬の生い茂る家に住む心細さを、見舞ってほしい、と詠む。
初句「訪へかしな」の「かし」は念押し、「な」は詠嘆の終助詞で、見舞ってほしいものだ、の意である。ここで句切れとなる。
二句「別れの袖に」は、死別の悲しみに濡れる袖に、の意である。
三句「露しげき」は、露が多く置いている、の意で、涙をたとえている。
四句「蓬が下の」は、蓬の生い茂る下の、の意で、荒れた住まいをいう。
結句「心細さを」は、心細さを、と倒置によって初句に続けて結ぶ。
よもぎ:荒れた家に生い茂る草
とふ:訪ねる、見舞う
- 作者
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寂然
- 出典
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山家集
- 前の歌
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君にさへたち別れつつ今日よりぞ 慰む方はげになかりける
- 次の歌
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待ちわびぬ遅れ先立つあはれをも 君ならでさは誰か訪ふべき