待ちわびぬ遅れ先立つあはれをも
君ならでさは誰か訪ふべき
- 歌の意味
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待ちわびてしまった。後に残る者と先立つ者との悲しみをも、あなたでなくて、いったい誰が見舞ってくれるだろうか。
- 鑑賞
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雑歌 834
詞書は前の歌に続き「兄の入道想空はかなくなりにけるを、訪はざりければ言ひ遣はしける」
寂然の五首の二首目である。待ちわびてしまった、後に残された者の悲しみを、あなたでなくて誰が見舞ってくれるだろうか、と詠み、西行の弔問をひたすら待っていた心を述べている。
初句「待ちわびぬ」は、待ちわびてしまった、の意で、ここで句切れとなる。
二句「遅れ先立つ」は、後に残ることと先に死ぬことで、兄に先立たれた悲しみをいう。
三句「あはれをも」は、その悲しみをも、の意である。
四句「君ならでさは」は、あなたでなくてそれでは、の意である。
結句「誰か訪ふべき」の「か」は反語の係助詞で、「べき」と係り結びをなし、誰が見舞ってくれようか、と結ぶ。
まちわぶ:待ちくたびれる、待ちあぐむ
- 作者
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寂然
- 出典
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山家集
- 前の歌
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訪へかしな別れの袖に露しげき 蓬が下の心細さを
- 次の歌
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別れにし人をふたたび跡を見ば 恨みやせまし訪はぬ心を