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よそに思ふ別れならねば誰をかは
身より外には訪ふべかりける

歌の意味
よそごとと思う別れではないので、わが身のほかに誰を見舞うべきであろうか、自分自身を見舞うようなものだ。
鑑賞
雑歌 839

詞書は前の歌に続き「返し」
 西行の返歌の二首目で、第八百三十四首に応じている。想空との別れは自分にとってもよそごとではないので、あなたを見舞うことは自分自身を見舞うことと同じで、誰を見舞えばよいのか、と詠む。故人を失った悲しみを自らのものとして受けとめている。

 初句「よそに思ふ」は、よそごとと思う、の意である。
 二句「別れならねば」は、別れではないので、の意である。
 三句「誰をかは」の「かは」は反語の係助詞で、結句の「ける」と係り結びをなしている。第八百三十四首の「誰か訪ふべき」を受けている。
 四句「身より外には」は、わが身のほかには、の意である。
 結句「訪ふべかりける」は、見舞うべきであったろうか、の意で、反語で結ぶ。

よそ:自分とは関係のないこと
作者
西行
出典
山家集
前の歌
分け入りて蓬が露をこぼさじと 思ふも人を訪ふにあらずや
次の歌
隔てなき法の言葉にたより得て 蓮の露にあはれかくらん