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露と消えば蓮台野にを送りおけ
願ふ心を名にあらはさん

歌の意味
私が露と消えたならば、蓮台野に送っておいてほしい。極楽往生を願う心を、その地の名に表そう。
鑑賞
雑歌 851

詞書は前の歌に続き「無常の歌あまたよみける中に」
 自分が露のように消えたならば、蓮台野に送っておいてほしい、極楽往生を願う心を、その地名によって表そう、と詠む。蓮台野は京の北の葬送の地で、その名の「蓮台」は極楽で往生した人が座る蓮の台をいう。地名に託して往生への願いを述べ、無常の歌の一連を結んでいる。

 初句「露と消えば」は、露のように消えたならば、の意で、死ぬことをいう。六音の字余りである。
 二句「蓮台野にを」の「蓮台野」は京の北の葬送の地で、「蓮台」は極楽の蓮の台をいう。
 三句「送りおけ」は命令形で、送っておけ、の意である。「おく」は初句の「露」の縁語である。ここで句切れとなる。
 四句「願ふ心を」は、極楽往生を願う心を、の意である。
 結句「名にあらはさん」の「ん」は意志の助動詞で、蓮台野という名に表そう、と結ぶ。

れんだいの:京の北にあった葬送の地
れんだい:極楽で往生した人が座る蓮の台
作者
西行
出典
山家集
前の歌
死にて伏さん苔の筵を思ふより かねて知らるる岩陰の露
次の歌
木のもとに住みける跡を見つるかな 那智の高嶺の花を尋ねて