西へ行くしるべと頼む月影の
そらだのめこそかひなかりけれ
- 歌の意味
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西方浄土へ行く道しるべと頼りにしている月の光が、空からあてにさせただけで、甲斐のないことであった。
- 鑑賞
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雑歌 854
詞書「堀川の局、仁和寺に住みけるに、参るべきよし申したりけれども、紛るる事ありて程経にけり、月の頃、前を過ぎけるを聞きて言ひ送りける」
待賢門院堀河が仁和寺に住んでいた頃、西行は訪ねると言っておきながら、取り紛れることがあって日がたってしまった。月の美しい頃、西行がその前を通り過ぎたと聞いて、堀河が言い送ってきた歌である。西方浄土への道しるべと頼りにしている月、すなわち西行が、空からあてにさせただけで甲斐がなかった、と詠み、訪れなかった西行を恨んでいる。
初句「西へ行く」は、西方浄土へ行く、の意である。
二句「しるべと頼む」は、道案内として頼りにする、の意である。
三句「月影の」は、月の光の、の意で、西行をたとえている。
四句「そらだのめこそ」の「そら」は、月のある空の意と、あてにならない意の「空頼め」とを掛けた掛詞である。「こそ」は係助詞である。
結句「かひなかりけれ」は、係助詞「こそ」の結びの已然形で、甲斐のないことであった、と結ぶ。
そらだのめ:あてにならないことを頼みに思わせること、空の意を掛ける
しるべ:道案内、導き
- 作者
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待賢門院堀河
- 出典
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山家集
- 前の歌
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いとどいかに西へ傾く月影を 常よりもげに君慕ふらん
- 次の歌
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さし入らで雲路をよきし月影は 待たぬ心ぞそらに見えける