- 歌の意味
- 迷いの闇が晴れて、心の空に澄みわたる月は、西の山辺、すなわち西方浄土に近づいているのであろうか。
- 鑑賞
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雑歌 876
詞書「観心」
題「観心」は、自らの心の本性を観ずる修行をいう。迷いの闇が晴れて、心の空に澄みわたる月は、西の山辺に近づいているのだろうか、と詠む。悟りの心を月にたとえ、それが西方浄土へと近づいてゆくさまを描いている。
この歌は新古今和歌集の釈教歌に収められている。
初句「闇晴れて」は、迷いの闇が晴れて、の意である。
二句「心の空に」は、心を空にたとえた語で、題の「観心」に当たる。
三句「澄む月は」は、澄みわたる月は、の意で、悟りを得た心をたとえている。
四句「西の山辺や」の「西の山辺」は月の沈む西の山で、西方浄土を暗示している。「や」は疑問の係助詞で、結句の「らん」と係り結びをなしている。
結句「近くなるらん」は、近くなっているのだろうか、の意である。
こころのつき:悟りを得た澄んだ心を月にたとえた語
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- 惑ひきて悟り得べくもなかりつる 心を知るは心なりけり
- 次の歌
- 散りまがふ花のにほひを先立てて 光を法の筵にぞ敷く