法知らぬ人をぞ今日はうしと見る
三つの車に心かけねば
- 歌の意味
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仏法を知らない人を、今日はつらいものと見ることだ。三つの車に心をかけないのだから。
- 鑑賞
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雑歌 880
詞書「譬喩品」
法華経の譬喩品を題とした歌である。譬喩品には、火事の家で遊びに夢中の子どもたちを救い出すために、父が羊の車、鹿の車、牛の車の三つの車を与えると言って外へ連れ出したという「三車火宅」のたとえが説かれる。仏法を知らない人を、今日はつらいものと見る、三つの車に心をかけないのだから、と詠み、救いの教えに心を向けない人々を嘆いている。
初句「法知らぬ」は、仏法を知らない、の意である。
二句「人をぞ今日は」の「ぞ」は係助詞で、三句の「見る」と係り結びをなしている。
三句「うしと見る」の「うし」は、つらい意の「憂し」と、三車の一つである牛車の「牛」とを掛けた掛詞である。ここで句切れとなる。
四句「三つの車に」は、羊の車、鹿の車、牛の車の三車をいい、仏の教えをたとえている。
結句「心かけねば」は、心をかけないので、と倒置によって三句の理由を示して結ぶ。「かけ」は車の縁語である。
うし:つらい意の憂しと、牛を掛ける
みつのくるま:羊車、鹿車、牛車の三車、仏の教えのたとえ
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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こりもせず憂き世の闇にまがふかな 身を思はぬは心なりけり
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休むべき宿を思へば中空の 旅も何にか苦しかるべき