朝夕の子を養ひにすと聞けば
苦にすぐれても悲しかるらん
- 歌の意味
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朝夕に産んだ子を食べて自らの養いにすると聞くと、餓鬼の苦しみは、ほかの苦しみにもまさって悲しいことであろう。
- 鑑賞
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雑歌 898
詞書は前の歌に続き「六道歌よみけるに:餓鬼」
六道の歌の二首目で、餓鬼道の歌である。餓鬼道は飢えと渇きに苦しむ世界で、経典には、朝夕に子を産んではそれを食べて飢えをしのぐ餓鬼がいると説かれる。そのように自らの子を食べるというのは、ほかの苦しみにもまさって悲しいことだろう、と詠む。
初句「朝夕の」は、朝に夕に、の意である。
二句「子を養ひに」は、子を自らの養いに、すなわち食べ物に、の意である。
三句「すと聞けば」は、すると聞くと、の意である。
四句「苦にすぐれても」は、ほかの苦しみにまさって、の意である。
結句「悲しかるらん」の「らん」は現在推量の助動詞で、悲しいことであろう、と結ぶ。
がき:飢えと渇きに苦しむ世界、またそこに生まれた者
やしなひ:食べ物、養い
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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罪人の死ぬる世もなく燃ゆる火の 薪なるらんことぞ悲しき
- 次の歌
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神楽歌に草取り飼ふはいたけれど なほその駒になることは憂し