雲の上の楽しみとてもかひぞなき
さてしもやがて住みし果てねば
- 歌の意味
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雲の上の天上界の楽しみといっても甲斐のないことだ。そのままずっと住み続けることはできないのだから。
- 鑑賞
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雑歌 902
詞書は前の歌に続き「六道歌よみけるに:天」
六道の歌の最後の一首で、天道の歌である。天上界は楽しみに満ちた世界であるが、天人にも寿命が尽きるときには五衰の苦しみが現れ、再び六道を巡ることになるとされる。雲の上の天上界の楽しみといっても甲斐がない、そのまま永遠に住み続けることはできないのだから、と詠み、天上界もまた迷いの世界であることを述べて六道の歌を結んでいる。
初句「雲の上の」は、雲の上の、の意で、天上界をいう。六音の字余りである。
二句「楽しみとても」は、楽しみといっても、の意である。
三句「かひぞなき」は、係助詞「ぞ」と連体形「なき」による係り結びで、甲斐がない、の意である。ここで句切れとなる。
四句「さてしもやがて」は、そのままずっと、の意である。
結句「住みし果てねば」は、住み続けることができないので、と倒置によって三句の理由を示して結ぶ。
てん:天上界、六道のうち最も楽しみの多い世界
ごすい:天人の寿命が尽きるときに現れるという五つの衰え
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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有り難き人になりけるかひありて 悟り求むる心あらなん
- 次の歌
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濁りたる心の水の少なきに 何かは月の影宿るべき