古典和歌stream

いかで我清く曇らぬ身になりて
心の月の影を磨かん

歌の意味
なんとかして私は清らかで曇りのない身となって、心の月の光を磨きたいものだ。
鑑賞
雑歌 904

詞書は前の歌に続き「心に思ひける事を」
 五首の二首目である。なんとかして清らかで曇りのない身となって、心の月の光を磨きたい、と詠む。前歌で心の濁りを嘆いたのを受けて、その心を清め、悟りの光を輝かせたいと願っている。

 初句「いかで我」の「いかで」は、なんとかして、の意の願望を表す。
 二句「清く曇らぬ」は、清らかで曇りのない、の意で、前歌の「濁りたる」と対になっている。
 三句「身になりて」は、身となって、の意である。
 四句「心の月の」の「心の月」は、悟りを得た澄んだ心を月にたとえた語で、前歌の「月」を受けている。
 結句「影を磨かん」の「ん」は意志の助動詞で、光を磨きたい、と結ぶ。

こころのつき:悟りを得た澄んだ心を月にたとえた語
作者
西行
出典
山家集
前の歌
濁りたる心の水の少なきに 何かは月の影宿るべき
次の歌
逃れなくつひに行くべき道をさは 知らではいかが過ぐべかりける