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浮かれ出づる心は身にもかなはねば
いかなりとてもいかにかはせん

歌の意味
さまよい出てゆく心は、わが身の思うようにもならないので、どうなろうとも、どうしようもないことだ。
鑑賞
雑歌 912

詞書は前の歌に続き「五首述懐」
 五首の最後の一首である。さまよい出てゆく心は、わが身の思うようにもならないので、どうなろうとも、どうしようもない、と詠む。抑えがたく浮かれ出てゆく心に身をゆだねるほかない、漂泊の思いを述べて五首を結んでいる。

 初句「浮かれ出づる」は、さまよい出てゆく、の意で、六音の字余りである。
 二句「心は身にも」は、心はわが身にも、の意である。
 三句「かなはねば」は、思うようにならないので、の意である。
 四句「いかなりとても」は、どうなろうとも、の意である。
 結句「いかにかはせん」の「かは」は反語で、どうしようもない、と結ぶ。四句と結句で「いか」の音を重ねている。

うかる:心がさまよう、浮かれ出る
作者
西行
出典
山家集
前の歌
あはれ知る涙の露ぞこぼれける 草の庵を結ぶ契りは
次の歌
住むことは所がらぞと言ひながら 高野はもののあはれなるかな