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住むことは所がらぞと言ひながら
高野はもののあはれなるかな

歌の意味
住むことは場所によるものだとは言うけれども、高野山はやはりしみじみと心にしみる所であることよ。
鑑賞
雑歌 913

詞書「高野より京なる人に遣はしける」
 高野山から京にいる人に贈った歌である。住み心地は場所によるものだと言うけれども、高野山はやはりしみじみと心にしみる所である、と詠む。高野山での暮らしの感慨を、都の人に伝えている。

 初句「住むことは」は、住むということは、の意である。
 二句「所がらぞと」の「所がら」は、場所の性質、場所柄の意である。
 三句「言ひながら」の「ながら」は逆接の接続助詞で、言うけれども、の意である。
 四句「高野は物の」は、高野山は、の意で、真言密教の霊場である。
 結句「あはれなるかな」の「かな」は詠嘆の終助詞で、しみじみと心にしみることだ、と結ぶ。

ところがら:場所の性質、場所柄
作者
西行
出典
山家集
前の歌
浮かれ出づる心は身にもかなはねば いかなりとてもいかにかはせん
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浅く出でし心の水やたたふらん すみゆくままに深くなるかな