分けきつる小笹の露にそぼちつつ
干しぞわづらふ墨染の袖
- 歌の意味
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分け入ってきた小笹の露にぐっしょりと濡れながら、乾かしかねている墨染の袖であることよ。
- 鑑賞
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雑歌 918
詞書「小笹の泊りと申す所にて、露のしげかりければ」
大峰の修行の道中、小笹の泊まりという所で、露がしげく置いていたので詠んだ歌である。分け入ってきた小笹の露にぐっしょり濡れて、乾かすことのできない墨染の袖である、と詠み、山中の修行の厳しさを、露に濡れる袖に託している。前歌の「濡れけり」を受けている。
初句「分けきつる」は、分け入ってきた、の意である。
二句「小笹の露に」は、小さな笹に置いた露に、の意で、地名の「小笹」を詠み込んでいる。
三句「そぼちつつ」の「そぼつ」は、ぐっしょり濡れる、の意である。
四句「干しぞわづらふ」は、乾かしかねる、の意で、係助詞「ぞ」と連体形「わづらふ」が係り結びをなしている。
結句「墨染の袖」は体言止めで、僧衣の袖で結ぶ。
そぼつ:ぐっしょり濡れる
すみぞめ:墨色に染めた衣、僧衣
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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露漏らぬ岩屋も袖は濡れけりと 聞かずはいかがあやしからまし
- 次の歌
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袈裟の色や若紫に染めてける 苔の袂を思ひ返して