- 歌の意味
- 吹き過ぎる風さえやんだならば、頼もしいことだ。秋の野一面に置く露の白玉は。
- 鑑賞
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雑歌 921
詞書「返し」
前歌への西行の返歌である。吹き過ぎる風さえやんだならば、秋の野一面に置く露の白玉も頼もしい、と詠む。前歌の「露の命」を受け、「風」に相手の患う風邪を掛けて、風邪さえ治れば命は心配ないと励ましている。
初句「吹き過ぐる」は、吹き過ぎる、の意である。
二句「風しやみなば」の「風」は、吹く風と、相手の患う風邪とを掛けている。「し」は強めの副助詞で、風さえやんだならば、の意である。
三句「頼もしみ」は、頼もしいので、頼もしいことだ、の意で、形容詞の語幹に「み」が付いた形である。
四句「秋の野もせの」の「野もせ」は野一面の意である。
結句「露の白玉」は体言止めで、白玉のような露で結び、前歌の「露の命」を受けている。
のもせ:野一面
しらたま:白い玉、真珠
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- 消えぬべき露の命も君が問ふ 言の葉にこそ起きゐられけれ
- 次の歌
- 琴の音に涙を添へて流すかな 絶えなましかばと思ふあはれに