定めなし風煩はぬ折だにも
またこんことを頼むべき世か
- 歌の意味
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定めのない世だ。風邪を患っていないときでさえ、また来ようということを頼みにできる世であろうか。
- 鑑賞
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雑歌 924
詞書「風煩ひて山寺に帰りけるに、人々弔ひて、よろしくなりなばまた疾くと申し侍りけるに、おのおのの心ざしを思ひて/返しどもありけり、聞き及ばぬは書かず」
西行が風邪を患って山寺に帰る際、人々が見舞って、よくなったらまた早く来てくださいと言ったので、それぞれの心づかいを思って詠んだ歌で、ここから第九百二十八首まで五首が続く。返歌もあったが、聞き及ばなかったものは書かない、という注記が添えられている。定めのない世で、風邪を患っていないときでさえ、また来ることを頼みにできるだろうか、と詠む。
初句「定めなし」は、定めのない世だ、の意で、ここで句切れとなる。
二句「風煩はぬ」は、風邪を患っていない、の意である。
三句「折だにも」の「だに」は、〜でさえ、の意である。
四句「またこんことを」は、また来ようということを、の意で、詞書の「よろしくなりなばまた疾く」を受けている。
結句「頼むべき世か」の「か」は反語で、頼みにできる世であろうか、と結ぶ。
かぜわづらふ:風邪を患う
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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頼むべきこともなき身を今日までも 何にかかれる玉の緒ならん
- 次の歌
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あだに散る木の葉につけて思ふかな 風誘ふめる露の命を