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さまざまにあはれ多かる別れかな
心を君が宿にとどめて

歌の意味
さまざまに哀れの多い別れであることよ。私の心をあなたの家に留めて去ってゆくのだから。
鑑賞
雑歌 927

詞書は前の歌に続き「風煩ひて山寺に帰りけるに、人々弔ひて、よろしくなりなばまた疾くと申し侍りけるに、おのおのの心ざしを思ひて/返しどもありけり、聞き及ばぬは書かず」
 五首の四首目である。さまざまに哀れの多い別れである、私の心をあなたの家に留めたまま去ってゆくのだから、と詠み、見舞ってくれた人への名残惜しさを述べている。

 初句「さまざまに」は、いろいろと、の意である。
 二句「あはれ多かる」は、哀れの多い、の意である。
 三句「別れかな」の「かな」は詠嘆の終助詞で、ここで句切れとなる。
 四句「心を君が」は、私の心をあなたの、の意である。
 結句「宿にとどめて」は、家に留めて、と倒置によって三句を受けて結ぶ。

やど:家、住まい
作者
西行
出典
山家集
前の歌
我なくはこの里人や秋深き 露を袂にかけて偲ばん
次の歌
帰れども人の情けに慕はれて 心は身にも添はずなりぬる