もろともに散る言の葉を書くほどに
やがても袖のそぼちぬるかな
- 歌の意味
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父の歌とともに散り残った言葉を書き集めているうちに、そのまま袖が涙でぐっしょり濡れてしまったことだ。
- 鑑賞
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雑歌 929
詞書「新院、歌集めさせおはしますと聞きて、常盤に為忠が歌の侍りけるを、書き集めて参らせけるを、大原より見せに遣はすとて」
新院、すなわち崇徳院が歌を集めておられると聞いて、常盤の家に残っていた父藤原為忠の歌を書き集めて献上する際に、寂超が大原から西行に見せに送ってきた歌である。崇徳院はこの頃、詞花和歌集の撰集を命じていた。亡き父の歌とともに散り残った言葉を書き集めているうちに、袖が涙で濡れてしまった、と詠む。
初句「もろともに」は、ともに、の意で、亡き父とともに、の意である。
二句「散る言の葉を」の「言の葉」は歌の意で、「散る」は木の葉の縁語である。
三句「書くほどに」は、書き集めているうちに、の意である。
四句「やがても袖の」の「やがて」は、そのまま、すぐに、の意である。
結句「そぼちぬるかな」の「そぼつ」は、ぐっしょり濡れる意で、「かな」の詠嘆で結ぶ。
そぼつ:ぐっしょり濡れる
しんゐん:新たに上皇となった人、ここでは崇徳院
- 作者
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寂超
- 出典
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山家集
- 前の歌
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帰れども人の情けに慕はれて 心は身にも添はずなりぬる
- 次の歌
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年経れど朽ちぬときはの言の葉を さぞ偲ぶらん大原の里