家の風吹き伝へけるかひありて
散る言の葉の珍しきかな
- 歌の意味
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家の歌風を吹き伝えてきた甲斐があって、散りこぼれる言葉のなんとすばらしいことよ。
- 鑑賞
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雑歌 933
詞書「新院百首歌召しけるに奉るとて、右大将公能のもとより見せに遣はしたりける、返し申すとて」
新院、すなわち崇徳院が百首歌を召した際に、それに奉るために詠んだ歌を、右大将藤原公能が西行に見せに送ってきたので、その返事として詠んだ歌である。この百首は久安百首と呼ばれる。家の歌風を吹き伝えてきた甲斐があって、あなたの歌はなんとすばらしいことか、と詠み、公能の百首をたたえている。前の二首と同じく「家の風」の語を用いている。
初句「家の風」は、その家に伝わる歌の風、家風の意で、前の二首の初句と同じ語である。
二句「吹き伝へける」は、吹き伝えてきた、の意で、「風」の縁語である。
三句「かひありて」は、その甲斐があって、の意である。
四句「散る言の葉の」は、世に出された歌の、の意で、「散る」は「風」の縁語である。
結句「珍しきかな」の「珍し」は、すばらしい、目新しい、の意で、「かな」の詠嘆で結ぶ。
いへのかぜ:その家に代々伝わる芸道の流儀、家風
めづらし:すばらしい、目新しい
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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家の風むねと吹くべきこのもとは 今散りなんと思ふ言の葉
- 次の歌
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家の風吹き伝ふとも和歌の浦に かひある言の葉にてこそ知れ