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峰渡る嵐激しき山里に
添へて聞こゆる滝川の水

歌の意味
峰を吹き渡る嵐の激しい山里に、その音に加わって聞こえてくる、激しく流れる川の水音であることよ。
鑑賞
雑歌 936

詞書は前の歌に続き「題しらず」
 峰を吹き渡る嵐の激しい山里に、その音に加わって、激しく流れる川の水音が聞こえてくる、と詠む。嵐と水の音が重なる山里の荒々しい寂しさを描いている。

 初句「峰渡る」は、峰を吹き渡る、の意である。
 二句「嵐激しき」は、嵐の激しい、の意である。
 三句「山里に」は、山里に、の意で、前歌の「山里」を受けている。
 四句「添へて聞こゆる」は、嵐の音に加わって聞こえる、の意である。
 結句「滝川の水」は体言止めで、激しく流れる川の水で結ぶ。

たきがは:流れの激しい川
作者
西行
出典
山家集
前の歌
木枯らしに木の葉の落つる山里は 涙こそさへもろくなりけれ
次の歌
訪ふ人も思ひ絶えたる山里の さびしさなくは住み憂からまし