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松風の音あはれなる山里に
さびしさ添ふる日ぐらしの声

歌の意味
松風の音がしみじみと哀れな山里に、さらに寂しさを加える、ひぐらしの声であることよ。
鑑賞
雑歌 940

詞書は前の歌に続き「題しらず」
 松風の音がしみじみと哀れな山里に、ひぐらしの声がさらに寂しさを加える、と詠む。松風とひぐらしという二つの音を重ね、山里の夕暮れの寂しさを描いている。

 初句「松風の」は、松に吹く風の、の意である。
 二句「音あはれなる」は、音がしみじみと哀れな、の意である。
 三句「山里に」は、山里に、の意である。
 四句「さびしさ添ふる」は、寂しさを加える、の意である。
 結句「日ぐらしの声」は体言止めで、夕暮れに鳴く蝉の声で結ぶ。

ひぐらし:夏から秋の夕暮れに鳴く蝉
作者
西行
出典
山家集
前の歌
待たれつる入相の鐘の音すなり 明日もやあらば聞かんとすらん
次の歌
谷の間にひとりぞ松も立てりける 我のみ友はなきかと思へば