- 歌の意味
- 夕日が差して沈んでゆく山の向こうがどんな所かは知らないけれども、心だけは前もってそこへ送っておいたことだ。
- 鑑賞
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雑歌 942
詞書は前の歌に続き「題しらず」
夕日が沈んでゆく山の向こうがどんな所かは知らないけれども、心だけは前もってそこへ送っておいた、と詠む。夕日の沈む西の山の向こうには西方浄土があるとされ、そこへの往生を願って、心を先に送っているのである。
初句「入日さす」は、夕日が差す、の意である。
二句「山のあなたは」は、山の向こうは、の意で、西方浄土を暗示している。
三句「知らねども」は、知らないけれども、の意である。
四句「心をかねて」の「かねて」は、前もって、の意である。
結句「送り置きつる」は、送っておいた、の意で、連体形で詠嘆を込めて結ぶ。
いりひ:夕日、沈んでゆく太陽
かねて:前もって、あらかじめ
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- 谷の間にひとりぞ松も立てりける 我のみ友はなきかと思へば
- 次の歌
- 何となく汲むたびに澄む心かな 岩井の水に影映しつつ